コミュニケーション特性から考える営業職の適性
営業職とは、自社の商品やサービスを提案し、購入や契約を促す職業です。
商品やサービスについて正しく説明できるだけでは成約に結び付きづらいため、営業職にはお客様と信頼関係を築くための「コミュニケーション能力」が求められます。
一方で、「コミュニケーション能力」以上に重視した方が良い視点があります。
それは「コミュニケーション特性」です。
コミュニケーションの取り方や人との距離感、人間関係のつくり方は人ぞれぞれ違います。
営業職として関わる対象は、商品やサービスを全く知らない人から愛用してくれているファンの人まで幅広いからこそ、能力よりも特性の影響が強いのです。
一定のコミュニケーション能力あったとしても、自分の特性と合っていないとコミュニケーションを取ること自体が苦痛になってしまうこともあります。
「できるけど、実はストレス」
営業職に向いていないとご相談をお受けしていると、3人に1人の頻度でこのケースに出会います。
コミュニケーション能力ではなく、特性が原因でストレスを感じているのです。
そこで本記事では、営業職に向いている人のコミュニケーション特性について、3つの切り口で解説いたします。
飛び込み営業に向いている人
飛び込み営業とは、アポイントを取らずに企業や個人宅を訪問して営業活動を行うことです。
相手の都合を考慮せずに訪問するため、アポイントを取るよりも訪問件数を伸ばすことができる手法といえます。
ひたすら訪問することが必要なため、1人でも多くの方に会うことが求められます。
しかも相手とは初対面。
自分のことを全く知らない、むしろ迷惑に思われている可能性が高い状態でも、前向きにコミュニケーションを取ることが求められます。
営業の中でも特に飛び込み営業は、不特定多数の人を会う仕事です。
そして、どんなタイプの相手であっても懐に入る込むことが求められるので、愛想の良さや人懐っこさも欠かせません。
逆に飛び込み営業に向かない人はどんな人でしょうか。
- 初対面の人とコミュニケーションを取るのが苦手
- 雑談で何を話したらよいか分からず、苦痛を感じる
- 大人数の中で過ごしていると疲れを感じる
- 集団の中で過ごすよりも1人で過ごした方が気が楽
1つでも当てはまる場合は、ミスマッチストレスを感じやすい傾向があります。
提案営業に向いている人
提案営業とは、顧客の課題を自社の商品やサービスで解決する提案をする営業活動を行うことです。
第一印象や愛想の良さよりも、豊富な知識や的確な提案力が求められます。
提案する相手が決まっている場合が多く、話す目的や内容も明確なので、話すことが苦手でも取り組みやすい傾向があります。
口数が多く、楽しい会話ができるよりも、顧客にとってプラスとなる提案ができることが大切です。
その提案できるかどうかは、顧客の立場で顧客がまだ気づいていない問題や課題を察知する力があるかに左右されます。
- 顧客に興味を持つことができる
- 顧客に合わせて柔軟に自分の思考を変えることができる
- 現状に満足することなく、より良い状態にしたい意欲がる
このような特性がある人は、提案営業に向いていると言えます。
また技術営業も同様の特徴があります。
ITをはじめとする技術分野に興味がある人は、その分野に絞った営業活動ができるので、より専門性を活かしやすいです。
人懐っこさやトーク力で勝負したい場合は、先に取り上げた飛び込み営業の方が向いています。
営業にもいろいろある
「営業はやりたくない」
「営業は向いていない」
「営業はできない」
求職支援をしていると、営業職に対する後ろ向きな発言をよく耳にします。
営業職経験者は実際に経験した結果を踏まえての発言ですが、未経験者については飛び込み営業のイメージだけで自分には無理だと思い込んでいるケースが多いです。
そのような時は必ず飛び込み営業以外の営業職について情報提供し、改めて営業職についてどう思うか確認しています。
情報提供をしても「営業は無理」という方もいらっしゃいますが、7割以上の方は「営業職について前向きに検討したい」と気持ちの変化が起きています。
コミュニケーション特性に合わせて情報提供していますので、仕事へのマッチ度も高く、内定率や採用後も働きがいを持ってご活躍されています。
また営業職としてなかなか結果が出ずに苦しんでいる人も、コミュニケーション特性に合わせた営業ができる環境に移って成果が上がったケースもあります。
コミュニケーション特性に合った営業職であれば、自然体の自分でお客様と向き合うことができるからです。
まとめ
営業職にはコミュニケーション能力よりもコミュニケーション特性が重要です。
「営業職」と一括りにせず、営業スタイルごとに自分のコミュニケーション特性を照らし合わせてみましょう。
飛び込み営業には人懐っこさが、提案営業には顧客に興味を持つことが求められます。
コミュニケーション特性に合わせた営業職を選ぶことで、効果的に成果を上げていきましょう。
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宮治 有希乃
組織人事コンサルタント
ミスマッチ調整パートナー
1978年1月14日生まれ、北海道札幌市出身。 2007年よりITベンチャー、人材ビジネス業界で人事労務・人材育成に携わり、現場の最前線で人材採用から社員育成・定着化、人事制度構築、キャリア支援などを経験したオールラウンダー。 2018年10月に寄りそうコンサルタントグループ HR LABOを立ち上げ、独立。 現在は「ミスマッチ調整パートナー」としての活動に注力。主に組織人事・キャリア領域で「HRアセスメント」を活用した組織活性や採用・定着化、人材育成、キャリア支援を中心に事業展開している。