マイクロマネジメントとの付き合い方
2023.06.15
カテゴリー: コミュニケーション
マイクロマネジメントとは、上司が部下の仕事を細かく指導・管理することです。
もちろん新入社員や異動してきたばかりの部下に対しては、マイクロマネジメントが有効な場面もあります。
しかし、すべての部下に対して細かく指導・管理する必要あるでしょうか。
マイクロマネジメントは暗に「あなたのことを信頼していない」というメッセージを送る管理手法です。
信頼されていないと感じた部下のモチベーションは下がり、それに伴いストレスの増加や生産性の低下にもつながる可能性があります。
また、部下自身が自分の力で業務を遂行できる環境ではないため、成長機会を奪うことにも繋がります。
本記事では、部下の視点で上手にマイクロマネジメントと付き合い、ストレスをやわらげ、成長機会を創出する方法を解説します。
上司の心理を理解する
マイクロマネジメントへ対処するためには、部下を細かく指導・管理する上司の心理を理解することが大切です。
ここではマイクロマネジメントをする上司の心理について、3つの代表例を確認していきましょう。
部下に対する不安
1つ目は、部下に対する不安です。
本当に仕事を任せて大丈夫のか。
最後まで責任を持ってやり切ってくれるのか。
このような不安から細かく指導したり、頻繁に進捗を確認します。
この場合、部下の考えや行動よりも業務の進捗確認をすることに意識が集中してしまうため、コミュニケーションが機械的になりがちです。
これでは信頼関係を築くことも難しく、部下理解も進まないため、不安が軽減されることはありません。
上司自身への不安
2つ目は、上司自身への不安です。
自信がないことを部下に悟られないように、過剰に業務オペレーションを作り込み、その枠の中で運用しようとします。
事前に用意したオペレーションを忠実に守ることを優先するため、枠から外れることがないよう細かく指示を出し、進捗確認の頻度も多めになりがちです。
上司としての自己顕示
3つ目は、上司としての自己顕示です。
部下の仕事ぶりが上司の評価に繋がることを過剰に意識し、部下が失敗しないように厳しく管理します。
また、部下に対して自分の能力をアピールしたい気持ちが強いほど、指示が細かくなる傾向があります。
部下ができないことや分からないことを上司である自分がカバーするという構図に自己顕示力が満たされるため、マイクロマネジメントが強化されます。
マイクロマネジメントへの対処
では、このような上司の心理を踏まえたうえで、どのようにマイクロマネジメントへ対処したらよいでしょうか。
上司の不安や自己顕示欲は上司自身が向き合うことであり、部下が関われることは少ないかもしれません。
しかし、部下に対する不安は、部下の関りによって払拭できる可能性があります。
部下に対する不安が払しょくされれば、上司は安心して仕事を任せられるようになり、おのずとマイクロマネジメントもやわらいでいきます。
ここでは、部下ができる3つの対処法を確認していきましょう。
先まわりコミュニケーション
1つ目は、先回りコミュニケーションです。
上司に聞かれる前に仕事の進捗を報告する。
業務で分からないことがあれば、遠慮せずに相談する。
今の仕事の一歩先の仕事の状況も共有する。
ポイントは先まわりです。
上司にしつこいと思われてもかまいません。
むしろしつこいと思わることが、先まわりコミュニケーションができている証拠です。
上司に対して、自分がどんな思いでどのような仕事に取り組んでいるのか、しっかりと説明しましょう。
余白コミュニケーション
2つ目は、余白コミュニケーションです。
あえて100%報告するのではなく、95%くらいに押さえ、上司が助言できる余白を残しておきます。
自己顕示欲が高い上司ほど、完璧な部下に対して粗探しをする傾向があります。
また、自己顕示欲が高ければ高いほど、自分の能力をアピールできないことに劣等感を覚えます。
もし100%報告したい場合は、報告し終えた後に、他のやり方を質問してみましょう。
プラスαの話を聞くことができるので、部下にとっても成長の機会となります。
自己管理能力の向上
3つ目は、自己管理能力の向上です。
先まわりコミュニケーションにせよ、余白コミュニケーションにせよ、部下自身が自分の力で仕事を進められてはじめて成立します。
仕事ができていない状態なのであれば、上司は干渉せざるを得ません。
部下としてもマイクロマネジメントに従った方が仕事がはかどります。
マイクロマネジメントをされてストレスを感じるのであれば、自己管理能力を高めることが必要不可欠です。
時間管理、タスクの優先順位付けはもちろん、自分自身のモチベーションも自分でコントロールする必要があります。
まとめ
マイクロマネジメントに対処するために部下ができることは、先まわりコミュニケーション、余白コミュニケーション、自己管理能力の向上です。
上司に対して、自分がどのような思いでどのような仕事に取り組んでいるか、しっかりと説明することを意識して対処していきましょう。
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宮治 有希乃
組織人事コンサルタント
ミスマッチ調整パートナー
1978年1月14日生まれ、北海道札幌市出身。 2007年よりITベンチャー、人材ビジネス業界で人事労務・人材育成に携わり、現場の最前線で人材採用から社員育成・定着化、人事制度構築、キャリア支援などを経験したオールラウンダー。 2018年10月に寄りそうコンサルタントグループ HR LABOを立ち上げ、独立。 現在は「ミスマッチ調整パートナー」としての活動に注力。主に組織人事・キャリア領域で「HRアセスメント」を活用した組織活性や採用・定着化、人材育成、キャリア支援を中心に事業展開している。