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【事例紹介】関係構築力を高めた介護管理職

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管理職にとって、部下との関係構築は業務遂行に大きな影響を与えます。

関係構築がうまく築かれていない場合、円滑なコミュニケーションが取れず、業務の進捗や質に悪影響を与えるリスクが高まるからです。

「仕事ができる」と評価されていた人も上司部下の組み合わせやチーム編成の変更でパフォーマンスが下がることもあります。

いわゆる「相性のミスマッチ」が原因と言えますが、このミスマッチを調整できずに本来の力を発揮できないケースが後を絶ちません。

一方で、管理職と部下との関係構築が良好であれば、コミュニケーションも活発になり、相互理解も深まります。

もし仮に業務がうまくいかない状態となったとしても、良好な関係性においては意見や提案が出しやすいため、迅速に改善サイクルをまわし、良い方向に軌道修正しやすくなります。

では、どのように管理職と部下との関係構築の質を高めていくのが良いでしょうか。

本記事では、HRアセスメントを活用し、関係構築力を高めた介護管理職の事例を紹介します。

パーソナルデータ

  • お名前:井上 尚子さん
    株式会社ケア・ハート 介護部長/採用・人材育成担当
    ケアマネジャー/社会福祉士/介護福祉士

課題

  • 部下との会話で伝え方が難しく意図したように伝わらないことがある。
  • 組織の中での自分の立ち位置でコミュニケーションの取り方が曖昧だと感じる。
  • 密に仕事するリーダー達や上司、同僚の特性を知りたい。
  • 組織内がうまくまわっていない。

HRアセスメントの活用

井上さんの課題を解決するためのアプローチとして活用したのがHRアセスメントです。

HRアセスメントは、集団における客観的なコミュニケーションの傾向や質、人間関係のつくり方、行動スタイルなどを12尺度で測り、数値・グラフで見える化します。

一般的な個性診断テストは「スキル=できるか否か」で判定されるものが多いですが、HRアセスメントは「できるけど好きではない」「言わないけど心の中では思っている」といった表面化しづらい内面部分まで深く分析できることが特徴です。

井上さんにはHRアセスメントの中でも一番ベーシックなHRパーソナル診断を受検いただきました。

診断結果

1回目の受検は2022年2月。

自分のことよりも相手のことを尊重し、チームワークを重んじる管理職であることが分かりました。

基本的に内向きで、会話や交流、自己開示は控えめ。

感情表現も控え目なので、周囲には落ち着いた印象を与えやすい傾向でもありました。

診断後のアクション

診断結果を踏まえたセッションを通じて課題解決に向けた3つのアクションを実践することにしました。

  • 部下に遠慮せず、管理職として伝えるメッセージをしっかり伝える。
  • ひとりで抱え込まず、部下を頼る。
  • 無理して過度なコミュニケーションをせず、自分と向き合うひとり時間を大切にする。

1年後の変化

井上さんには1回目の受検から約1年経過した2023年3月に再度HRパーソナル診断を受検していただきました。

診断後のアクションが、井上さんにどんな影響を与えたのか。

グラフを比較すると、その影響は一目瞭然でした。

尊重性

まず注目したのは、こだわり・自我の強弱を表す「尊重性」の変化です。

尊重性は低ければ低いほど、こだわり・自我が強いことを示します。

井上さんの場合、「部下に遠慮せず、管理職として伝えるメッセージをしっかり伝える」ことを実践したことで、明らかに尊重性が低くなりました。

尊重性が高すぎると部下の意見を聞きすぎてしまい、リーダーシップが発揮できないことがあります。

実際に井上さんも部下の意見を聞いては何かしなければと、毎回対応に追われていたと悩んでいました。

強すぎる自我も関係構築の弊害となりますが、管理職には部下を引っ張る統率力が求められるため、尊重性が調整できたことは実りある変化と言えます。

開示性

また「ひとりで抱え込まず、部下を頼る」ことを意識的に実践したことで、自分の内面を開示する「開示性」のスコアも上がりました。

関係構築力を高めるためには、一定の自己開示は必要不可欠です。

部下に見せてこなかった自分の弱さや頼りたい気持ちを伝えることで、自然と開示性が高まってきたと推測できます。

会話性・交流性

そして「無理して過度なコミュニケーションをせず、自分と向き合うひとり時間を大切にする」ことによって、「会話性」や「交流性」が下がりました。

会話性や交流性は何気ない会話に関する指標で、目的のある会話や交流には影響がありませんので、仕事に関してネガティブな変化にはなっていません。

自立性

加えて、関係構築における他者との距離感を表す「自立性」が上がりました。

管理職として自立し、自分軸を持った関りができるようになってきたと言えます。

今後の課題

1年前と比べて仕事がしやすくなったと語る井上さん。

コミュニケーションの取り方をグラフで可視化することで、目指す管理職像に近づいていることも確認できました。

仕事における関係構築力も高まり、管轄するチームだけでなく会社全体にも良い影響が出始めています。

今後の課題を上げるとすれば、仕事以外におけるコミュニケーションの取り方になります。

「会話性」や「交流性」が下がったとことで、目的のない雑談や交流が苦痛だと感じやすくなっています。

さらに「自立性」は上がっていますので、一匹狼的な生き方を好むようになっているので、淡白なコミュニケーションになりがちです。

家族や友人など身近な人ほど、コミュニケーションが希薄になる可能性がありますので、その点を留意すると、公私ともに関係構築力を高めていけます。

お客様の声

最後に関係構築力を高めることができた井上さんからのメッセージをご紹介します。

役職の変化で、上司や同僚の間、スタッフとスタッフの間で話しを聞く機会が増えていく中で、話しを聞く事に疲れ、どう対応したらよいか考える割に答えが出ず一喜一憂していました。

人と人との間をどう調整したら良いか方法すら分からずにいました。

診断を受け、まず自分の特性を知る事ができ気持ちが楽になりました。

自分が思っている自分像とは違う一面があり、他者から見えている自分に対して納得がいく部分や、自覚がないが本当はそうではないよーなど客観的に知る事が多くありました。

診断後、自分の思いを言葉に出す。目的は何かを伝える事に意識し実行しました。

会議や研修を始める時に目的を参加者と共有し言葉に出すようにしました。

対話中、目的は何? 何のためにするの? 相手は何を伝えたいの?

入居者さん中心の考え方になってる?など意識して関わるようにしました。

現在は自分の軸ができた感覚で、人の話しに一喜一憂して疲れてしまう事が無くなってきました。
事柄を冷静に判断し表現できるようになったと感じています。
 
上司や同僚・リーダー候補にも診断を受けてもらい、特性を知る事で関係性が良好になり会社・チームを良くするための有意義な話しが出来ていいますし、育成に関しても特性をいかしたアプローチ方法が知れるため、育成の悩みが減りました。

診断結果を共有し互いの特性を理解し、特性をいかした仕事を取り組む事で、ミスマッチが減り生き生きとした姿を見て共に成長している感じがとても嬉しいです。
 
自分の特性や課題を知り1年間取り組んだ結果を可視化でき、体感できる機会は他にはありません。
明らかに自分のステージが上がり成長している感覚はとてもわくわくしています。
 
自分のことを自分の視点から知るのではなく、診断で客観的に知り理解するという事は、他者への理解が深まり良好な関係性が作れます。

より自分を大切にできると思います。

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宮治 有希乃

組織人事コンサルタント
ミスマッチ調整パートナー

1978年1月14日生まれ、北海道札幌市出身。 2007年よりITベンチャー、人材ビジネス業界で人事労務・人材育成に携わり、現場の最前線で人材採用から社員育成・定着化、人事制度構築、キャリア支援などを経験したオールラウンダー。 2018年10月に寄りそうコンサルタントグループ HR LABOを立ち上げ、独立。 現在は「ミスマッチ調整パートナー」としての活動に注力。主に組織人事・キャリア領域で「HRアセスメント」を活用した組織活性や採用・定着化、人材育成、キャリア支援を中心に事業展開している。

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